- グループ全体で投資資産5兆米ドルの世界最大級のウェルス・マネージャーの誕生
- スイスでの地盤を一層強化
- 米州、アジア太平洋地域での成長を軸にするUBSの戦略は不変
- ダウンサイドにおける保護を含む金融面での好条件
- 現状が維持できれば2027年までに80億米ドルのコスト削減が可能
- UBSは強固な資本を維持し目標基準の13%を上回る。配当政策も継続
- インベストメント・バンク部門でもUBSのモデルを維持―グローバルバンキングの戦略を維持し、クレディ・スイスの大部分のマーケットポジションは非中核事業へ
本案件を通じ、UBSの株主に多大なサステナブル・バリューを提供
本案件を通じ、UBSの株主に多大なサステナブル・バリューを提供
チューリッヒ/バーゼル 2023年3月19日-UBSはクレディ・スイスを買収する計画を発表しました。5兆米ドルの投資資産を有する、サステナブルな価値を提供する金融機関の誕生です。この買収によりUBSは、投資資産3.4兆米ドルのスイスを本拠に世界の成長市場で事業を行うウェルス・マネージャーとしての地位をさらに強固なものとします。
本買収は、スイスのユニバーサルバンクとしてのUBSの強化にも資するものです。また、アセット・マネージャーとしても、欧州最大級の1.5兆米ドルの投資資産を誇ることになります。
UBSのコーム・ケレハー会長は次のように語っています。「本買収はUBSの株主にとって魅力的なものです。しかし、ここではっきりと申し上げておきたいことは、クレディ・スイスにとっては、本件は緊急救済であるということです。私たちは、事業の価値を保ちつつ、ダウンサイド・エクスポージャーを限定するよう本件を構築しました。クレディ・スイスのウェルス・マネジメント、アセット・マネジメント、スイスのユニバーサルバンクの各事業は、UBSのキャピタル・ライトなビジネスを強化するという戦略を補強する役割を果たします。本買収は、UBSの顧客に利益をもたらし、また投資家にも長期的な、サステナブルな価値を提供することになると考えています。」
UBSのラルフ・ハマースCEOは次のように述べています。「UBSとクレディ・スイスの組み合わせはUBSをさらに強力にし、世界中の顧客へのサービスをより充実させ、私たちの業界最高級の能力を一層高めることでしょう。本買収により、当社の対米、対アジア戦略は強化され、欧州での事業規模は拡大します。新しいお客様をお迎えすることは喜びであり、仲間が増えることも楽しみにしています。」
協議はスイス連邦財務省、スイス連邦金融市場監督機構(FINMA)、スイス国立銀行により開始され、本買収はこれら諸機関から全面的なサポートを受けています。
本買収により、クレディ・スイス株主は同社株式22.48株につきUBS株式1株を受領します。1株0.76スイス・フランに相当し、総額は30億スイス・フランです。UBSは、本案件に関連した価額評価、取得価格の調整、リストラクチャリングにかかるコストについて250億スイス・フランのダウンサイドの保証を、またさらに非中核事業資産について50%のダウンサイド・プロテクションを得ています。両社はスイス国立銀行から無制限の資金供与を受けることができるため、金融政策ガイドラインに基づいた流動性を確保することができます。
統合した2社が現行のコスト削減を引き続き行うことができれば、2027年までに80億米ドルのコスト削減が見込まれています。
インベストメント・バンクは、機関投資家、法人、ウェルス・マネジメント顧客へのグローバルでのサポート体制の維持・強化に努めつつ、クレディ・スイスの同部門のその他の事業の整理を行います。統合後のインベストメント・バンク事業のリスク加重資産はグループ全体の25%に相当します。
UBSのEPSは2027年にかけて徐々に増加傾向となることが期待されており、資本比率の目標水準である13%を上回る状態も維持できると見込んでいます。
統合後の会長には、コーム・ケレハーが、CEOにはラルフ・ハマースがそれぞれ就任します。
本買収は株主総会の承認を要件としていません。UBSはFINMA、スイス国立銀行、スイス連邦財務省から事前の合意を得ており、その他の主要な行政当局からも本買収について承認を取り付けています。