最良執行方針
UBS証券株式会社(令和5年12月制定)
この最良執行方針は、金融商品取引法第40条の2第1項の規定に従い、弊社がお客様の注文をお客様にとって最良の取引の条件で執行するための方針及び方法を定めたものです。
弊社では、お客様から国内の金融商品取引所市場に上場されている有価証券の注文を受託した際に、お客様から取引の執行に関するご指示がない場合につきましては、以下の方針に従い執行することに努めます。
1. この最良執行方針の対象となる有価証券
1. この最良執行方針の対象となる有価証券
(1) 国内の金融商品取引所市場に上場されている株券、新株予約権付社債券、ETF(株価指数連動型投資信託受益証券)及びREIT(不動産投資信託の投資証券)等、金融商品取引法施行令第16条の6に規定される「上場株券等」
(2) フェニックス銘柄である株券及び新株予約権付社債券で、金融商品取引法第67条の18第4号に規定される「取扱有価証券」
2. お客様の注文を最良の取引の条件で執行するための方法
2. お客様の注文を最良の取引の条件で執行するための方法
用語の定義:
- PTS(Proprietary Trading System)とは、金融商品取引法施行令第26条の2の2第7項に規定する「私設取引システム」をいいます。
- ダークプールとは、金融商品取引業等に関する内閣府令第70条の2第7項に規定する「社内取引システム」をいいます。
- 取引所金融商品市場等とは、国内の金融商品取引所市場、PTS及びダークプールを総称していいます。
- SOR(Smart Order Routing)とは、複数の取引所金融商品市場等から最も有利な価格で執行するための取引所金融商品市場等を電子情報処理組織により自動的に選択する方法又は当該方法による取引を提供することをいいます。
- レイテンシーアービトラージとは、金融商品取引業等に関する内閣府令第124条第2項第1号ハに規定する「注文の執行に要する時間の差により生ずる金融商品市場における相場に係る変動、市場間の格差等を利用した取引戦略」のことをいいます。
- IOC(Immediate Or Cancel)注文とは、即時に約定可能な注文以外は自動的にキャンセルする(板に乗らない)注文方法のことをいいます。
(1) 上場株券等(外国法人の発行する証券を除く)の場合
[1] SORを利用する場合の執行方法
弊社では東京証券取引所に上場されている上場株券等について、お客様のご希望によりSORをご利用いただけます。
価格を比較する取引所金融商品市場等:
弊社SORにおいて価格を比較する取引所金融商品市場等(以下、「SOR対象市場等」)は、東京証券取引所、Cboeジャパン株式会社が運営するPTS(Cboe Alpha、以下、「CboeジャパンPTS」)、ジャパンネクスト証券株式会社が運営するPTS(J-Market、以下、「ジャパンネクストPTS」)及び弊社が運営するダークプールです。
取引所金融商品市場等の選択の方法及び順序:
弊社SORは、SOR対象市場等の気配値を比較し、これらの気配値の中から最も有利な価格(以下、「最良気配」)を提示する取引所金融商品市場等へ発注いたします。気配値の比較を行う取引所金融商品市場等は、SOR対象市場等の中からお客様が任意にお選びいただけます。
最良気配が複数の取引所金融商品市場等で同一である場合は、原則、弊社ダークプール、東京証券取引所、Cboe ジャパンPTS、ジャパンネクストPTSの優先順位で発注いたしますが、市場環境の変化等で変わることがあります。但し、弊社ダークプールにおいては、東京証券取引所の仲値でのみ執行されるため、東京証券取引所と弊社ダークプールとが同一の最良気配になることはありません。
弊社においては、個人のお客様から直接注文はお受けしていません。
レイテンシーアービトラージへの対応方針:
弊社SORではレイテンシーアービトラージへの対応として、PTSへの発注をIOC注文により行っています。
(2) SORを利用しない場合の執行方法
東京証券取引所以外の金融商品取引所市場のみに上場されている上場株券等については、弊社SORをご利用いただくことができません。そのように弊社SORをご利用いただけない場合及び弊社SORをご利用いただける場合でもお客様がご利用を希望されない場合の執行方法は、以下のとおりです。
[1] お客様から注文を受託いたしましたら、弊社が下記[2]の規定により選定した金融商品取引所市場に取り次ぐことといたします。その場合、金融商品取引所市場の売買立会時間外に受注した注文については、金融商品取引所市場における売買立会が再開された後に金融商品取引所市場に取り次ぐことといたします。
[2] [1]において、委託注文の国内の金融商品取引所市場への取次ぎは、次のとおり行います。
(a) 上場している金融商品取引所市場が一箇所である場合(単独上場)には、当該金融商品取引所市場へ取り次ぎます。
(b) 複数の金融商品取引所市場に上場(重複上場)されている場合には、原則として、執行時点において、QUICK優先市場(株式会社日本経済新聞社が厚生年金基金時価評価用途を目的として選定する優先市場を基に株式会社QUICKが取り決めた優先市場で、対象銘柄の証券コードのみを入力して問い合わせたときに応答される銘柄の金融商品取引所市場)に取り次ぎます。ただし、追加上場や上場廃止などで出来高が急激に変動した場合には、実情に応じて選定しなおす場合があります。なお、選定した具体的な内容は、弊社にお問い合わせいただいたお客様にはその内容をお知らせいたします。
(c) (a)又は(b)により選定した金融商品取引所市場が、弊社が取引参加者又は会員となっていないところである場合には、当該金融商品取引所市場の取引参加者又は会員のうち、当該金融商品取引所市場への注文の取次ぎについて契約を締結している者を経由して、当該金融商品取引所市場に取り次ぎます。
(2) 外国法人の発行する上場株券等
外国法人の発行する上場株券等につきましては、お客様から注文を受託いたしましたら、外国取引として当該銘柄が取引されている外国金融商品市場の所在地域を担当する海外のUBSグループ証券業者に取り次ぐ(海外のUBSグループ証券業者に口座開設されているお客様の注文については、 そのUBSグループ証券業者への委託注文を媒介する)こととし、お客様との間で取引の都度、個別に合意しない限り、国内店頭取引、国内の当該銘柄が上場している金融商品取引所市場への取次ぎ、PTSへの取次ぎその他の取引所外売買の取次ぎは行いません。
なお、複数の外国金融商品市場で取引されている場合には、発行会社の母国市場を担当する海外のUBSグループ証券業者に取り次ぐことといたします。
弊社が取り次ぎ又は媒介する海外のUBSグループ証券業者の名称につきましては、弊社にお問い合わせいただければ、お知らせいたします。
(3) 取扱有価証券(フェニックス銘柄)
弊社では、基本的に取扱有価証券(フェニックス銘柄)の注文はお受けしておりません。ただし、お客様から売却注文をいただいた場合には、当該注文を、当該銘柄の投資勧誘を行っている金融商品取引業者に取り次ぎます。
当該銘柄の投資勧誘を行っている金融商品取引業者が一社である場合には当該金融商品取引業者へ、複数ある場合には、取次ぎを行おうとする時点の直近において当該各金融商品取引業者が提示している気配のうち、お客様にとって最も有利と考えられる気配を提示している金融商品取引業者に取り次ぎます。
なお、銘柄によっては、注文をお受けできないものがあります。
3. 上記2.の方法を選択する理由
3. 上記2.の方法を選択する理由
(1) 上場株券等(外国法人の発行する証券を除く)
[1] SORを利用する場合の執行方法の選択理由
SOR対象市場等の選定に係る理由:
弊社SORが東京証券取引所に加えてCboeジャパンPTS、ジャパンネクストPTS及び弊社ダークプールを対象市場等に含めている理由は、より有利な価格での約定の可能性が高まることが期待されるためです。また、弊社ダークプールを対象市場等に含めている理由は、より有利な価格での約定可能性を高めるだけでなく、マーケットインパクトを軽減することができると考えられるためです。
取引所金融商品市場等の選択方法及び順序に係る理由:
弊社SORにおいて、SOR対象市場等の中から最良気配を提示する取引所金融商品市場等を選択して発注する理由は、東京証券取引所の気配値と比較して価格改善効果が生じる場合があり、お客様に利益をもたらす注文執行が実現できると考えられるためです。
最良気配が複数の取引所金融商品市場等で同一であって弊社ダークプールが含まれるときに、弊社ダークプールを優先して選択する理由は、マーケットインパクトを軽減できると考えられるためです。最良気配が複数の取引所金融商品市場等で同一であって東京証券取引所が含まれるときに、東京証券取引所を優先して選択する理由は、最も流動性があり、約定する機会を高めることができると考えられるためです。また、PTS間において、CboeジャパンPTSをジャパンネクストPTSに優先して選択する理由は、各PTSのリバージョン等を考慮してより有利な価格で約定する可能性があると考えられるためですが、今後変更される可能性があります。
レイテンシーアービトラージへの対応方針及び対応策の選択理由:
当該方法により注文を発注することで、レイテンシーアービトラージが介入する可能性が小さくなると考えられるためです。
[2] SORを利用しない場合の執行方法を選択する理由:
金融商品取引所市場は多くの投資家の需要が集中しており、その他の執行場所と比較すると、流動性、約定可能性、取引のスピード等の面で優れていると考えられ、執行方法に関する取決めや指示のない注文については、ここで執行することがお客様にとって最も合理的であると判断されるからです。
また、複数の金融商品取引所市場に上場されている場合には、その中で最も流動性の高い金融商品取引所市場において執行することが、お客様にとって最も合理的であると判断されるからです。
(2) 外国法人の発行する上場株券等
弊社では、外国法人の発行する上場株券等に係る委託注文については、海外のUBSグループ証券業者への取次ぎ(海外のUBSグルー プ証券業者に口座開設されているお客様の注文については、そのUBSグループ証券業者への委託注文の媒介)のみを行い、弊社が直接の取引の相手方となる方法や、国内の当該銘柄が上場している金融商品取引所市場への取次ぎ等は行いません。その理由は、海外のUBSグループ証券業者が執行の場として選択する外国金融商品市場は多くの投資家の需要が集中し、流動性を最も提供できる場であることから、価格、約定可能性、執行スピード等を総合的に勘案して、お客様に とって最も有利であると判断されるからです。
また、複数の外国金融商品市場で取引されている場合には、発行会社の母国市場を担当するUBSグループ証券業者に取り次ぎますが、これは母国市場での執行がお客様の真意に合致すると考えられるからです。
(3) 取扱有価証券(フェニックス銘柄)
弊社では、基本的に取扱有価証券(フェニックス銘柄)の注文はお受けしておりません。
ただし、上場していた当時から当該銘 柄を所有されていたお客様の換金ニーズをすみやかに実現する必要があると考えます。お客様からいただいた売却注文を、注文が集まる傾向がある投資勧誘を行う金融商品取引業者に取り次ぐことは、より多くの約定機会を確保することとなり、お客様の換金ニーズを実現できる可能性が高まると判断されるからです。
4. その他
4. その他
(1) 次に掲げる取引については、上記2.に掲げる方法によらず、それぞれ次に掲げる方法により執行いたします。
[1] 東京証券取引所の寄付き又は大引けで執行する指示があった注文については、東京証券取引所に発注いたします。
[2] お客様から執行方法に関するご指示(弊社が自己で直接の相手方となる売買のご希望、執行する金融商品取引所市場のご希望、お取引の時間帯のご希望等)があった取引
当該取決めに基づく執行方法又はご指示いただいた執行方法
[3] 投資一任契約等に基づく執行
当該契約等においてお客様から委任された範囲内において弊社が選定する方法
[4]株式累積投資や株式ミニ投資等、取引約款等において執行方法を特定している取引
当該執行方法
[5] 端株及び単元未満株の取引
弊社が直接の取引の相手方となる方法(ただし、条件によっては、弊社が取引に応じることができない場合があります)
[6] 金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令第16条第1項第8号ロに規定する取引一任契約に基づく執行
当該契約において関係外国金融商品取引業者から委任された範囲内において弊社が選定する方法
[7] 制度信用取引の反対売買
新規建ての制度信用取引を執行した市場での執行
(2) システム障害等(※)により、やむを得ず、最良執行方針に基づいて選択する方法とは異なる方法により執行する場合があります。その場合でも、その時点で最良の条件で執行するよう努めます。(※弊社のシステム障害等が発生した場合及び取引所金融商品市場等においてシステム障害等が発生した場合を含む)
最良執行義務は、価格のみならず、例えば、コスト、スピード、執行の確実性等さまざまな要素を総合的に勘案して執行する義務となります。
したがって、価格のみに着目して事後的に最良でなかったとしても、それのみをもって最良執行義務の違反には必ずしもなりません。
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