[参考和訳(要旨)] 2022年第4四半期決算
2022年は、持続的なインフレ、中央銀行の急激な金融引き締め、ロシア・ウクライナ戦争、その他の地政学的緊張の複合的な要因が、資産価格水準と投資家心理に影響を与えましたが、UBSは、お客様に対する揺るぎないコミットメントにより、全グループ的にポジティブなモメンタムを維持することができました。このような背景のもと、グローバル・ウェルス・マネジメント (GWM) では通期で600億米ドルの純新規手数料創出資産1 、アセット・マネジメント (AM) では250億米ドルの純新規資金(うち、260億米ドルがマネーマーケット)、パーソナル・バンキングは20億スイス・フランの純新規投資商品(年率8%増)への流入がありました。金利上昇を受けてお客様が投資を見直す中、私たちは貯蓄商品、譲渡性預金、マネーマーケット・ファンドを通して、より高い利回りを追求するお客様の需要を取り込むことができました。GWMとパーソナル&コーポレート・バンキング (P&C) の2部門の2022年の純利息収入は前年比17%増を達成しています。個人投資家が高い不確実性と好ましくない市場動向を背景に、年間を通じて概して様子見の姿勢を維持したのに対して、機関投資家は、2022年前半に株式市場のボラティリティが高止まりしていたこと、2022年後半は為替や金利市場が堅調だったことから、非常に活発に活動しました。
米州地域では、GWMは通期で170億米ドルの純新規手数料創出資産1を獲得し、また第4四半期はアドバイザーの採用も好調でした。プライベートマーケットには100億米ドルの新規申し込みがあり、またSMA2の募集では、AMに210億米ドルの純新規資金の流入があるなど、これらには引き続き強力な勢いを見込んでいます。
スイスでは、No.1 バンク3 の座を維持しました。2022 年には、GWMとP&Cを合わせて70億米ドルの純新規ローンと90億米ドルの純新規預金を獲得し、過去最高のローン/預金額の到達に寄与すると同時に、90億米ドルの純新規手数料創出資産1を獲得しました。
欧州・中東・アフリカ地域では、200億米ドルの純新規手数料創出資産1を獲得したほか、スペイン国内のウェルス・マネジメント事業の売却を完了したことで、拠点網をさらに最適化しました。インベストメント・バンク (IB) では、グローバルマーケッツ部門が過去最高の業績を達成し、グローバルバンキング部門でもフィープールをアウトパフォームする業績を残しました。
アジア太平洋地域では、年間140億米ドルの純新規手数料創出資産1を獲得し、外資系投資銀行のECM 部門で1 位4となりました。また、M&Aにおいても過去最高の一年5となり、Finance Asia誌でアジアとオーストラリアにおけるベスト・インベストメント・バンク6に選ばれました。
私たちは、テクノロジーの管理、変革、開発の方法を改善し続け、エンジニアカルチャーを育んできました。たとえば、現在、グループのアプリケーションの65%はクラウド上にあり、アジャイルワーキングに移行したエンジニアの数は、技術チームの68%にのぼります。これらのテクノロジーの改善は、コスト面での規律を守り、計画的にコスト削減プログラムを進め、成長戦略への投資を行いながら達成したものです。
2022年も引き続き戦略の実行に注力し、グループ目標に沿った普通株Tier1自己資本利益率17.0%、費用/収入比率72.1%を達成しました。税引前利益は96億400万米ドル(前年比1%増)となりました。総収益は前年比2%減、営業費用は同4%減、株主帰属純利益は76億3,000万米ドル(前年比2%増)、希薄化後一株当たり利益は2.25米ドルでした。
2022年第4四半期の税引前利益は19億3,700万米ドル(前年同期比12%増)、総収益は前年同期比8%減、営業費用は同13%減、費用/収入比率は75.8%となりました。株主帰属純利益は16億5,300万米ドル(前年同期比23%増)、希薄化後一株当たり利益は0.50米ドル、普通株Tier1自己資本利益率は14.7%でした。2022年第4四半期には、13億米ドルの自社株を買い戻しました。
普通株Tier1自己資本比率は14.2%、普通株Tier1レバレッジ比率は4.42%で、それぞれ目標基準の13%以上および3.7%以上を大幅に上回り、強固な資本基盤を維持しました。バランスシートも引き続き堅固で、ローン7の95%が担保付き、平均LTV は55%未満という質の高いローン・ポートフォリオを有しています。
2022年期は、一株当たり0.55 米ドルの普通配当を提案する予定です8。また、2022年は通年で56 億米ドルの自社株を買い戻し、2023年は50億米ドル超を買い戻す予定です。あらゆる局面に対応できるバランスシートと、規律あるコストマネジメントを備えた、成長性が高くキャピタル・ライトなビジネスモデルを持っていることで、現在の困難なマクロ経済環境においても、私たちは成長戦略を継続し、堅実な資本還元を実現することが可能となるのです。