弱気相場に備える
我々は、現在の景気拡大と株式の強気相場は今後数年にわたって続くと予想しています。だからと言って、次の下落局面が差し迫ってから準備するのは得策ではありません。弱気相場を詳しく研究すれば、それが見た目ほどに危険ではないことを学び、また多くの誤解を分析することで、弱気相場からポートフォリオを守るための基礎を築くことができます。
弱気相場の特徴
まず、「弱気相場とは何か」を定義することから始めよう。
異論があることは承知しているが、本レポートでは、弱気相場を「米国の大型株がピークから底まで少なくとも20%下落する現象」と定義する。ただし、我々は、この期間(ドローダウン期間)だけに注目するのではなく、株価が次の史上最高値に達するまでの期間についても考える(これを「回復」期間と呼ぶことにする)。
「20%」は、恣意的に響くかもしれないが適切な基準だ。心理的に苦しいが短命に終わる相場下落の多くが対象外になるからだ。10%以上20%未満の下落を、通常は「強気相場での調整」と呼ぶ。10%に満たない下落については、一般に合意された定義はない。この程度の下落はごく普通に発生し、期間も短く「、一時的下げ」「、急落」「、反落」、「押し目」、「下げ」などいろいろな言い方がある。
一般的に、リスクとリターンの大きさ、つまり変化率は資産クラスごとに異なり、他の資産クラスやポートフォリオに直接あてはめようとしても意味がない。実は、ある資産クラスにとっての「大きな」変化率(%)は、他の資産クラスや投資戦略にとっては比較的小さな動きかもしれないからだ。したがって、米国大型株の動きを弱気相場の基本とするものの、これはあくまでも明確化のためにそうするのであって、S&P500種株価指数のような株式のベンチマークに対するポートフォリオのパフォーマンス測定を我々が投資家に提案しているからではない。
この定義を踏まえ、我々のフレームワークを用いて、市場サイクルがどう見えるかを評価するために、過去のリターンを振り返ることにしよう。
弱気相場の頻度は少なく、しかも比較的短命に終わる
米国大型株の1945年以来の月次リターン(対数表示)
株価は、史上最高値から–10%以内にある期間がおよそ3分の2を占めている
米国大型株の、相場環境別の期間(1945年以来の月次リターン)
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