Shifting Asia E-gaming

2018年にはアジア太平洋地域のビデオゲーム市場は世界最大になる見通しで、今後世界のゲーム市場をリードする存在になるでしょう。アジアの隆盛は始まったばかりです。同地域のゲーム産業は今後10年にわたって成長が見込まれ、収益は2017年の611億米ドルから2030年には2,000億米ドルに増加すると我々は予想しています。この成長の3分の1はユーザーの増加によって、3分の2はユーザー1人当たりの収益の伸びによってけん引されると予想します。

中国政府は最近、新作ゲームの認可を凍結しており、業界は一時的な打撃を受けていますが、地域に根付いているゲーム文化や長期的な成長機会に影響することはないでしょう。我々は、アジアのゲーム収益が2017年から2030年の間に年平均9.5%で成長するとみています。この見通しの根拠としては、新しいファンや市場、プラットフォームの出現によるアジアのゲーム人口の持続的な伸び、地域のエンターテインメント支出に占めるゲームの割合の拡大、新たなテクノロジーの開発、eスポーツ競技人気の高まり等、複数の要因が挙げられます。

ニューズーによると、現在、3億9,500万人を数える世界全体のeスポーツ観戦者数のうち、アジアは51%を 占 め て い ま す 。若 い ミ レ ニ ア ル 世 代 の 割合 が 高 い ア ジ ア は 、人 口 メ リ ット に よ りeスポーツが急速に浸透しています 。特 にeス ポ ー ツ で は「 エ コ シ ス テ ム*」の形成が進み、ゲームの発見や流通の場としても有効に機能しています。我々は、今後数年でeスポーツがアジアのゲーム産業の主要な成長要因になると予想します。

人工知能(AI)やクラウドゲーム、顔・音声認識等の新しいテクノロジーの登場により、アジアのゲーム体験はさらに豊かになり、ユーザーエンゲージメントや収益化も高まるでしょう。AR(拡張現実)とVR(仮想現実)も長期的には成長のけん引役になりえますが、まだまだ黎明期にあるため今後さらなる進化が必要です。

一部のゲームにおける中毒性や暴力性への懸念から、アジアではゲームの取り締まりを求める声も上がっています。ゲーム規制はその手法が今後さらに進化し、韓国など一部市場が地域の模範的な存在になるとみています。しかし、こうした懸念がある一方で、エンターテインメント性と商業価値の両観点から、社会に対するゲームの重要性も無視できません。例えば、ゲーム産業はこれまでアジアで大量のクリエイティブ雇用を生み出しており、今後もそうした状況は続くでしょう。ゲーミフィケーション(保健医療や従業員教育など、ゲームが本来の目的ではない活動にゲーム的要素を組み込むことでモチベーションを促すこと)の効果も最近注目を集めており、ゲームを使って労働生産性を向上させることで社会に貢献することも可能です。

アジアが世界のゲーム市場をリードする中、世界の主要なゲーム関連企業も同地域の高い将来性の一端を担っています。特に、中国のインターネットゲーム開発会社や米国のソフトウェア会社、半導体企業などは利益率が高く、恩恵を享受できるでしょう。一方、ゲーム用ハードウェア会社は利益率が低く、成長機会は限定的だとみています。上場企業のほか、ベンチャーキャピタルやプライベートエクイティにも魅力的な成長機会を見出すことができます。

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